11/30日(土)に開催した建築家・竹山聖講演会&シンポジウムは、参加者約90名で、大成功のうちに終わりました。
内容は、老朽化に伴って建替えの構想が進んでいる下関市立体育館を中心に、下関の建築文化の現状を考えるものでしたが、ほかに香川県や、宮崎県、神奈川県等全国で起こっているモダニズム建築保存の動きについても報告がありました。
最初に建築家で京都大建築学科教授の竹山聖氏が基調講演をされ、自らの建築作品を紹介しながら、建築が残されるには「1.愛されているか」「2.時代を代表しているか」「3.空間に価値があるか」の視点から考えるべきで、地域の人々が残そうとするなら、「愛される建築」となるよう行動しなくてはならないと話されました。
また、下関市立体育館周辺を視察されたことも踏まえ、建替えでなく、市体育館をメモリアル的に残すための私案も示されました。
(主催者としては、大変ありがたかったです。)
続いて下関市の建築家・今村剛浩氏が下関市立体育館の魅力や設計者の坪井善勝氏の業績等について詳細に報告、同様に取り壊しの危機にある香川県立体育館の保存運動に取り組む現地の建築家・平野祐一氏は、香川県立体育館で実施されている、建物の価値を多くの人に伝えるための市民を巻き込んだユニークな活動を紹介されました。
最後、山口大の岡松道雄教授が、3つの近代建築の保存を巡る動きを分析され、建築的な価値だけでなく社会的な価値や背景、メンテナンスを考慮した計画が重要であると提言されました。
時間が足りなくて、会場からの意見や質問があまり取り上げられなかったのは、反省点です。しかし、次への活動に向けて、大きな実りのあるシンポジウムになりました。
関係者の皆さん、大変お疲れ様でした!