• 私たちは、近代建築をテーマに、建築文化や景観まちづくりに関する研究を行っているグループです。

日本建築学会中国支部建築文化賞の受賞対象4

(4) シンポジウム「近代化産業遺産と地域づくり」で基調講演

2019年3月2日(土)13:00~16:00、国際ホテル宇部3Fダイヤモンドホールにて、シンポジウム「近代化産業遺産と地域づくり -明治維新150年を迎えた山口県の歴史的建築資産」が開催されました。主催は日本建築学会中国支部で、支部研究発表会に合わせて実施された事業でした。

まず、鹿児島から来られた島津公保氏(㈱島津興業 取締役相談役)が「明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録と地域づくり」について話され、続いて私が「山口県の近代建築遺産と地域づくり」の講演をさせていただきました。

明治前夜の毛利藩の防長三白政策が、その後の近代化産業へと展開していったこと。

しかし、それは萩には根付かず、明治20年以降、石炭の産出地である宇部、小野田、美祢へと展開していったこと。宇部では渡辺祐策、小野田では笠井順八、いずれも毛利藩のネットワークの中から発展していったこと。彼らの残した遺産としての近代化産業遺産が、宇部、小野田には多数残っていること。特に宇部には、村野藤吾が関わった建物が多数あること。これらは、鹿児島と違ってまだ磨かれてはおらず、遺産活用への動きが期待されること。

守り育てる方法としては、近代建築や近代化遺産を日頃よりリスペクトし、様々な機会をとらえて顕彰事業などで、市民に理解を深めることが必要。一つのキーワードは、産業観光。この辺りは鹿児島の動きを見習うべき。

近代化産業遺産シンポ
学会中国支部のシンポジウムの模様。鹿児島から島津公洋氏、山口は原田が講演。 シンポ後の懇親会では、宇部の久保田市長さんも駆け付けられた。